栄誉と社会的公認
ブルボン王朝の復古は、ブレゲ社にとっての目覚ましい事業再建の時期に重なります。
英国には、権威の高い顧客層が数多く形成されています。当時摂政だった皇太子、後のジョージ4世を始めとして、その二人兄弟、ヨーク公とケンブリッジ公、また、将軍ウェリングトン公などが顧客になっていました。
ロシアの顧客は、1814年にブレゲを訪問したツァーリ、アレクサンドル1世の例に見られるように、たいへん重要なものになっています。
トルコ市場に対して、ブレゲはこの顧客の特殊な好みを考慮した様式を採用しています。たとえば、ケースでは、二重のケースに、赤と金色を支配色とする七宝で豪華な装飾をほどこし、数字はトルコ数字を入れています。1811年以来、イスタンブールにブレゲ社公認の代理店があります。
1819年のフランス工業製品博覧会では、ブレゲは、審査員として参加し、回顧展をも開催しています。